帝国ホテル 東京「パークサイドダイナー」|朝食にオートミールを食べないと食事した気がしない 帝国ホテル初代会長 渋沢栄一氏は100年先のトレンドまで読めていた!?
1890年代の明治初期、海外ではオーツ麦を食べやすいフレークにする加工技術が生み出され、栄養価の高いこの食材はアメリカを中心にシリアル食文化として普及し、発展していきました。しかし、時を同じくして日本にもオーツ麦が伝わりましたが、その頃の日本人は食糧として捉えることは少なく、土壌改善の農作物や馬の飼料として活用されることが殆ど。米やパンのように主食の食糧として日の目を見ることはありませんでした。これが後に欧米のシリアルの朝食文化と、日本の米食文化の違いという大きな潮流の違いを生み出すことになります。
そんな時代に日本の歴史的にも名高い大実業家である渋沢栄一氏(1840年〜1931年)は「朝食にオートミールを食べないと食事した気がしない」という言葉を晩年に残されたそうです。たった一代で農民から武士、幕臣、大蔵官僚を経て、稀代の大実業家となった渋沢栄一氏は20代半ばの幕臣時代にパリへ渡り、欧州の近代社会を目の当たりにし、銀行、鉄道、運輸、電力、紡績、建設、酒造など日本経済の基礎を築き上げました。帝国ホテルの初代会長も務めた同氏の言葉には「100年先のグラノーラや、オートミールブームを見据えていたのだろうか!?」とまで思えてしまうくらいの想像とロマンにかき立てられます。
現在、帝国ホテル 東京のオールデイダイニング「パークサイドダイナー」では初代会長 渋沢栄一にオマージュを込めて、東京料理長 杉本 雄氏 監修のもと、渋沢翁の出身地である深谷の名産品である“深谷ねぎ”を使用した、新しい概念の「渋沢カリー」と、糖衣の食感と甘さ加減が特徴的な逸品「もっちりオートミールフォンダン」を提供中です。
「渋沢カリー」は、渋沢翁の著書「航西日記」より、当時27歳でパリ万博幕府使節団の一員として日本を出発し、旅の途中セイロンで出会ったカレーの記述から。そして「もっちりオートミールフォンダン」は前述の渋沢栄一氏のオートミールに関する言葉から着想を得た一品。
「パークサイドダイナー」はみゆき通りに面した窓から光が差し込む、明るく開放的な空間。カウンター席や広くゆったりとしたベンチシート、窓側のラウンドシートなど、お客様が思い思いにお楽しみいただける帝国ホテル流ダイナーです。メニューはパンケーキやアメリカンクラブハウスサンドイッチ、シーザーサラダや野菜カレーといった帝国ホテル伝統の人気メニューに加え、ダイナーらしいボリュームのあるハンバーガーやグリル料理、アメリカンスタイルのサンデーなど多彩にご用意。営業時間は7:00〜22:00なので、モーニング、ランチ、喫茶、ディナーといつでもカジュアルに利用できます。
渋沢翁の精神が受け継がれる、「帝国ホテル 東京」という場所でしか召し上がることができない特別なメニュー。ぜひ、この機会に「パークサイドダイナー」へ足を延ばしてみてはいかがでしょう。
帝国ホテル 東京「パークサイドダイナー」
〒100-8558 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル 東京 本館1階
電話番号:03-3539-8046
URL:https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/parkside_diner/
取材・文章/狭川元秀 (With Oats 編集部) 構成/毛利努(MORRIS STRATEGY & DESIGN CONSULTS,LLC.)